広島1位・斉藤優汰 女手ひとつで育った特進クラス1位“超優等生”の伸びしろと弱点
斉藤優汰(18歳・投手・苫小牧中央高)=広島1位
北海道岩見沢市。冬場には積雪2メートルを越えることもある雪深い町で生まれ育った。厳しい寒さの中、母の明美さん(56)は夜勤の看護職をしながら女手ひとつで斉藤をプロの世界へ送り出した。
同じ苫小牧中央で投手をする弟の翔太さん(16)と共にドラフト会議の指名を待った明美さんは斉藤から「ここまで育ててくれてありがとう」と花束を贈られ、「本当にうれしいです」と涙ぐんだ。
感謝の向かう先は、母親だけではない。野球部の副部長を務める横井美可教諭(47=養護担当)はこう言う。
「非常に気遣いができる子で、友人に対しても教員に対しても、次にしようと思っている動作を先に読んで行動する。例えば何かを取ってほしそうだったら、『取りますか?』と声をかけたり。そういう気配り、目配りができる子でした」
また、勉学の分野でも優等生。苫小牧中央は特別進学コースと一般コースに分かれているが、斉藤は特別進学コースで入学。常に学年1、2位を争う好成績だったという。
「入学当初から非常に勉強ができる生徒で、本人は数学が得意だと言っていました。野球部の練習で時間がない中、時間を見つけて寮に帰ってから30分でも机に向かう時間を自分なりにつくっていたようです。5時半ごろに起きて勉強している日もあるというのを同じ寮生が目撃していて、(目撃した生徒が)『自分にはできません……』と話していました」(横井副部長)