著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

来季から「ユニフォーム袖の広告」解禁 人気球団・Rソックス年間23億円のカラクリ

公開日: 更新日:

NBAの影響

 それにもかかわらず今回、方針が転換されたのはなぜか。その背景には、17年にユニホームへの広告掲載を解禁したNBAの成功の影響が大きい。

 大リーグと同様、NBAにおいてもユニホームに広告を載せることは厳しく規制されてきた。しかし、現在は平均して年間700万ドル(約9億4000万円)から1000万ドル(約13億4000万円)の広告契約が結ばれている。規制緩和が奏功した形だ。

 レッドソックスが結んだ契約は、年間1700万ドル(約22億8000万円)である。選手の動きが激しく、コート全体を俯瞰して中継することが多いバスケットボールに比べ、3時間の試合でも選手が実際に動いているのは15分程度とされる野球は、それでも広告効果が高いことで知られてきた。

 2.5インチ四方に広告を限定しているNBAを意識し、大リーグは4インチ四方と広告枠を大きくしたこともユニホームの商品価値を向上させている。

 何より、球界初の試みを大リーグでも指折りの人気球団であるレッドソックスが行っただけに注目度も含め、高額の契約が実現したのである。

 今後、他球団がどの程度まで追随するか、来季以降の動向が注目される。

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