侍Jの宿敵 韓国代表を徹底解剖!WBC1次ラウンド3月10日に難敵と激突
3月9日開幕の第5回「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」。3度目の優勝を狙う日本にとっての難敵は第1次ラウンド(R)B組でぶつかる韓国だ。日本は第1回、第2回大会を連覇したが、韓国はベスト4と2位。第2回大会は第1Rから決勝戦まで5試合も戦ったことを覚えているファンも多いだろう。韓国は前回、前々回大会は第1Rで敗退し、別グループの日本とは対戦がなかった。14年ぶりに激突する宿敵はどんなチームなのか。韓国のプロ野球(KBO)に詳しいジャーナリストの室井昌也氏に聞いた。
■打線の核は“韓国のイチロー”こと李政厚
オフに肘の手術をしたパイレーツの崔志萬(チェ・ジマン=31)はメンバーから外れましたが、打線は強力です。核になるのは“韓国のイチロー”とも言われる李政厚(イ・ジョンフ=24、右投げ左打ち)。元中日の李鍾範の長男です。昨季のKBOのMVPで2年連続の首位打者は選球眼がよく、際どいコースのボールに対しても微動だにしない。軸がブレないフォームで好不調の波がほとんどありません。打撃時のチェックポイントを聞くと「左の骨盤」と言う。捕手出身OBによれば「おそらく投手の方に突っ込むことを嫌がっているのではないか」とのこと。穴がない打者ですが、なるほど、わずかに左投手のスライダーに弱い面がある。
守備範囲も広く、強肩で俊足。今季終了後には入札制度でメジャー移籍を目指す。それを意識してか、昨季は23本塁打と長打力もアピールした。盗塁が5だったのは、走る機会が少なかっただけです。所属のキウムでは3番ですが、1番も打てます。しかし、1番の適任者には朴海旻(パク・ヘミン=32、右投げ左打ち)がいるし、3番候補も多い。2番が面白いかもしれません。メジャー移籍を望む李にとってWBCはスカウトにアピールする絶好の機会。モチベーションは高いです。
4番は朴炳鎬(パク・ビョンホ=36、右投げ右打ち)。昨季(35本)を含め、本塁打王はリーグ最多の6度、打点王4度の韓国の主砲です。今年37歳になるベテランですが、パワーは衰えていません。
メジャーリーガーは2人。パドレスの正遊撃手、金河成(キム・ハソン=27、右投げ右打ち)と、21年ゴールドグラブ賞で走攻守の三拍子揃った二塁手のトミー・エドマン(27=カージナルス、右投げ両打ち)。いずれも堅い守りが魅力。
■日本戦の先発は横手か左腕?
今回の先発陣には絶対的なエースがいません。日本戦に若手を先発させるには負担が大きい。東京五輪準決勝は、横手右腕・高永表(コ・ヨンピョ=31)のチェンジアップが効果的(5回2失点)でした。
左腕の具昌模(ク・チャンモ=26)の先発起用もあるかもしれません。故障が多く、フルシーズン投げたことは少ないが、183センチから投げ下ろす140キロ台の直球とスライダーが武器。大崩れしないタイプで日本戦向きです。
抑えは158キロ右腕の高祐錫(コ・ウソク=24)。東京五輪準決勝では、八回2死満塁で山田哲人に走者一掃の二塁打を浴びた。昨季42セーブでタイトルを獲得。五輪時より直球は威力を増し、変化球の使い方もうまくなり、日本との再戦に燃えている。1月に結婚した妻は、李政厚の妹です。
先発は若手が多いので、惜しみない継投策で日本打線を翻弄するのではないか。