女子プロボクシング吉田実代が目指すもの 米国での初戦勝利も“世界王者さえ食えない”現実
これまで数多くの日本人が世界に挑んできた女子プロボクシング。日本時間の4月28日、注目の一戦がアメリカで行われた。
米ニューヨークのタイムズスクエアSONYホールで、元WBO女子スーパーフライ級王者の吉田実代(35)は、インデヤ・スミス(26)に判定勝ちし、アメリカでの初戦を白星で飾った。
吉田選手は働きながら通信制高校に通っていた20歳の春、地元鹿児島の繁華街で偶然目にした「ハワイ格闘技留学」の広告を目にし、未経験で格闘技の世界に飛び込んだ。総合格闘技、キックボクシング、シュートボクシングと経験を積み、2014年に、26歳でプロボクシングに転向。
17年の第6代東洋太平洋女子バンタム級王座を皮切りに、19年、21年にはWBO女子世界スーパーフライ級王者に輝くも、22年に王座から陥落。
世界王者奪還、そして、プロスポーツとしての人気、地位、ギャランティとあらゆる面で、男子に劣る女子プロボクシングを認知してもらうため、昨年、本場アメリカでの活動を決断。この4月、8歳の娘、実衣菜(ミイナ)さんとともに渡米。米ディベラ・エンターテインメントと契約し、現在、モハメド・アリ、マイク・タイソンなど世界的プロボクサーを輩出している、ニューヨークブルックリンのグリーソンズ・ジムを拠点にしている。
4月12日、写真集「VOLCANO 吉田実代写真集」(双葉社)を発売。東京、鹿児島、沖永良部島とプロモーションイベントで各地を駆け巡る、渡米前の吉田選手に話を聞くことができた。