交渉解禁の山本由伸が要求する移籍先の条件は「6人ローテ」、メジャーの獲得球団にもメリットあり
これまで同社の顧客に限らず、2018年の大谷ら多くの日本人投手が渡米直後、肘の故障に苦しんできた。代理人としては、入団後の起用法に慎重になるのは当然。山本が大リーグ公式球やマウンド、米国の環境に慣れるまでは6人ローテなど、本人の負担の少ない起用法を求めるとみられる。
6人ローテは山本を獲得した球団にもメリットがある。総額300億円以上の大型契約をした投手が大谷のように肘の靱帯を修復するトミー・ジョン手術を受けることになれば、最低でも1年半は投げられず、金銭的にも戦力的にも損失は計り知れない。下手をすれば、GMや監督、投手コーチのクビが飛びかねないだけに、山本の起用法に細心の注意を払うのは間違いない。
ただ、若手やメジャーでのキャリアが浅い投手のコンディショニング維持に効果がある6人ローテにはデメリットもある。中5日以上での登板となり、試合数やイニング数が限られるため、サイ・ヤング賞やMVP争いで不利になりかねず、同僚のエース級の投手には不評なのだ。
今季、ア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したヤンキースの右腕コール、同賞3度のレンジャーズ・シャーザーら山本の獲得に動くとみられる球団には絶対的なエースが存在する。
山本と交渉する球団は並行してエースの説得も強いられるかもしれない。