大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

公開日: 更新日:

根底にあるのは二刀流をこなし、かつチームが勝つこと

 そこへいくと大谷は個人主義に徹している。最初にエンゼルスを選択したのは、東海岸に比べて球団もファンもメディアも気候も穏やかだから。当初はメジャーで二刀流を貫くことが最優先、自分のパフォーマンスを長い目で見てもらう必要があったのだ。

 二刀流として頂点を極めると、「ヒリヒリした9月を過ごしたい」と思うように。10年総額1000億円超のプロスポーツ史上最大の契約で、11年連続プレーオフに進出中のドジャースに移籍した。

 根底にあるのは自分が打って投げて二刀流をこなし、なおかつチームが勝つことだ。二刀流を貫くにあたっては、波紋も生じる。他の先発投手のローテーションがズレることがあれば、打者としては他の野手の休養の場でもあるDHを独占することになる。が、本人にそれに対する抵抗はまったくない。

 元通訳の水原一平容疑者の賭博スキャンダルを受けて会見。質疑応答なしで話したときは、「お騒がせして申し訳ありませんでした」「迷惑をかけました」という日本流の常套句もなし。「謝ってはいけない」という代理人サイドの助言があったのかもしれないが、かつての相棒を何度も「ウソつき」呼ばわり、あくまで自分は100%被害者というスタンスを通した。

 ドジャースとの契約時に年俸の97%を後払いにしたことが話題になった。30球団の戦力均衡を目的とした課徴金制度(ぜいたく税)の網の目をくぐり抜ける、制度の趣旨に反する手法ながら、「よくぞ思いついた」と米国中から称賛された。

 大谷はいまや、考え方もアタマの中身も完全な米国人だ。175本打つのに1236試合を費やした松井に対し、打者として725試合目で176本に到達した。野球だけにこだわりを持ち、米国人的なスタンスを貫いているからこそ、メジャーで頂点に立てたし、ゴジラの記録もアッサリと塗り替えられたに違いない。

  ◇  ◇  ◇

 そんな大谷は元アスリートだった両親の元、出産に関わった看護師から褒められるほど「ずいぶんしっかりとした顔つき」で生まれたという。

 ●関連記事【大谷を知る】…では、誕生秘話や両親のスポーツ歴、名前の由来などについて詳しく報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大谷の今季投手復帰に暗雲か…ドジャース指揮官が本音ポロリ「我々は彼がDHしかできなくてもいい球団」

  2. 2

    センバツVで復活!「横浜高校ブランド」の正体 指導体制は「大阪桐蔭以上」と関係者

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  2. 7

    巨人・坂本勇人2.4億円申告漏れ「けつあな確定申告」トレンド入り…醜聞連発でいよいよ監督手形に致命傷

  3. 8

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

  4. 9

    巨人・坂本勇人は「最悪の状態」…他球団からも心配される深刻打撃不振の哀れ

  5. 10

    佐々木朗希よ…せめてあと1年、吉井監督の下で準備期間を過ごせなかったのか。メジャーはそんなに甘くない

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情