2度目のポーランドは苦境続き「海外あるある」にぶち当たり、急速に立場が悪化した
「このままでは終われない」と危機感を抱いた時に意外なクラブからオファーが届き、妻の加藤ローサさんと相談。単身で赴くことを決めた。
同国1部のレヒア・グダニスクでプレー経験がある分、適応はスムーズだと思われた。
が、1部と2部ではレベルも環境もサッカースタイルも全く違う。後半途中から出場した新天地デビュー戦。中盤でボールを失い、PK献上につながる致命的ミスを犯したことで、いきなり暗雲が垂れ込めた。
「海外は『最初が肝心』っていう鉄則がある。でも日本に3年半いたことでそれを忘れていたのかな(苦笑)。何だかボーッと(試合に)入ってしまったんですよね。それを機に監督から『球際で戦ってない』『走ってない』と繰り返し言われるようになり、なかなか試合に出られなくなりましたね。1部の時はもっとボールをつなげたけど、2部は技術的に低い選手が多く、守備や球際の厳しさがより重視される。正直、難しさを感じます」と現地で苦渋の表情を浮かべていたものだ。
実は、クラブ側は市内に新スタジアム建設を計画。「元日本代表MF加入」と大々的に宣言して動きを加速させようとしていたのだ。注目度の高い移籍初戦で松井らしいプレーが見せられず、急速に立場が悪化した。