セのDH導入が加速か…榊原コミッショナーついに言及、名球会会員も《野球の醍醐味が薄れる論》キッパリ否定
「セ・パでルールが違うというのはノーマルな状態ではないと思う。見る立場からすると打撃活発な試合の方が面白い」
プロ野球の榊原定征コミッショナーが仕事始めの6日、セ・リーグの指名打者(DH)制度について、こう言及した。
同氏は2022年の就任時から、セへのDH導入に加え、引き分けのルール再考を提起。引き分けに関してはファームで今季、延長十回からタイブレークが試験導入されるが、DHはかねて、セの各球団が導入に消極的だった。
パがDHを採用した1975年、セは「指名打者制に反対する理由」を発表。<1世紀半になろうとする野球の伝統を、あまりにも根本的にくつがえしすぎる>などと9つの理由を掲げた。
19年秋に巨人の原辰徳監督(当時)が日本シリーズでソフトバンクに4連敗を喫した直後、「高校野球、少年野球もかわるきっかけになる。レギュラーが9人から10人に増える」などと提起。同じくソフトバンクとの対戦となった翌20年の日本シリーズでは全試合でDH採用を率先したが、巨人以外のセ5球団はあくまで導入に慎重だった。
23年1月の12球団監督会議では、同年にリーグ優勝&日本一を達成する座長を務めた阪神の岡田彰布監督(当時)が「監督が楽すぎる。投手が回ってくるとかこないとか、ちょっと(野球の)醍醐味がない」などと反対。「セでは議論がなかなか進展しなかった」(NPB関係者)という。
しかし、メジャーでは22年からナ・リーグもDH制を採用。野球が盛んな北中南米、アジアのプロリーグでDHがないのはセ・リーグのみとなった。
DH制はかねて、打撃戦を演出するのと同時に、投手のレベルアップを実現するといわれてきた。