球団の年俸格差と経営格差の構造…24年は“ぜいたく税”が過去最高額の3億1131万ドルを記録
2024年の大リーグでは、年俸総額の基準値を超過した球団数が過去最多の9球団となり、課徴金であるぜいたく税の3億1131万ドルも過去最高となった。
一方、昨季の開幕時点での年俸総額がドジャースの課徴金未満であった球団も存在する。レイズ、マーリンズ、オリオールズ、ガーディアンズ、パイレーツ、アスレチックスだ。
これらの球団は本拠地にする都市の人口が30万人から60万人程度の中規模都市であり、隣接する地域を含めた都市圏としては一定の大きさを持つものの、都市そのものに限ればニューヨークやロサンゼルス、シカゴなどに比べて市場規模が相対的に小さいことが共通する。実際、パイレーツは本拠地PNCパークがしばしば「“Pirates Need Cash”(パイレーツは資金が必要だ)の略称だ」と揶揄されるほど資金力に乏しい球団として知られる。
また、ナショナル・リーグで21年以来毎年観客動員数が最低のマーリンズも成績が振るわない球団のひとつである。
ただ、大リーグ機構による収益分配制度を活用したり、他球団の構想から外れた選手と契約して年俸を抑えたりして、単年での黒字を維持している。その中で、最も深刻な状況に置かれたのがアスレチックスである。