著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

箱根駅伝の「産学協同」…大学生が広告塔になっていいのか?「線引き」は明確にすべき

公開日: 更新日:

 スポーツ紙の箱根特集には選手のシューズの銘柄まで入っている。胸のスポンサー名は大きくなり、暮れには学生ランナーを使った広告が躍る。日本はメーカーの国だ。アマチュアリズムを盾に産学協同が良くないなどとは言わないが、大学スポーツがどこまで許すかの線引きは明確にした方がいい。

 これは1987年に始まった日本テレビによる全国放映の影響に他ならない。それ以前、箱根駅伝は西日本ではほとんど知られていなかった。完全中継の功労者だったディレクターの坂田信久氏はスポーツマインドを備えた人で「テレビが箱根駅伝を変えてはいけない」と話していた。が、こう付け足した。

「変わるんですけどね」

 そこを仕切るのが陸連なり学連、スポーツ庁の仕事だろう。それができないなら不要な機関だ。挨拶など聞きたくもない。

 強い青学大の理由は単純で、お化け番組になった箱根を頂点に強化しているからだ。その原メソッドに対し、「世界を目指す」(駒大・大八木総監督)、「トラックのスピードを磨く年代に箱根が存在する位置付け」(中大・藤原監督)と、箱根観は大学それぞれだ。ただ、11年間に8度の総合優勝のチームからオリンピック、世界選手権の代表が一人も出ていないことにメディアは触れようとしない……劣化ではないだろうか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した