ダル所属のパドレスで骨肉の争いが勃発…オーナー家の内紛は球団売却の前兆
オーナー夫妻の醜い離婚騒動が、名門球団の売却に発展したケースもある。
ドジャースは不動産業で財を成したフランク・マッコート氏が04年に買収に成功した。それと同時に、弁護士資格を持つ妻ジェイミー氏を球団のCEОに据え、ボディーガードまでつけた。しかし、この配慮は裏目に出て、妻がボディーガードと不倫関係に。それを知った同オーナーは妻をCEОから解任、それに妻が反発して離婚裁判に発展した。
カリフォルニア州の州法では離婚が成立した場合、夫は妻に全資産の半分を分与しなくてはならないという規定がある。離婚が成立すると負債を差し引いても数億ドルを支払う羽目になる。その費用を他の資産を売却して充てることは不可能だった。その頃、同オーナーは多額の負債を抱えていたからだ。ドジャースタジアム周辺の土地を買い占めていたところ、リーマン・ショックで不動産価格が暴落してしまったのだ。
それでも、同オーナーは球団売却を求められながらも抵抗し、選手の給与の支払いをFОⅩテレビからの借入金で賄っていたが、MLBが介入し球団の売却が完了するまで、カネの出し入れを厳重に監視されることになり、監督責任者に前駐日大使でレンジャーズの元社長でもあるトム・シーヒーが任命された。ドジャースはこの期間、大型補強がやりにくくなり、11年から3年連続でポストシーズンに進出できなかった。ほぼ同じ時期にパドレスでも、オーナー夫妻の離婚がもとで球団売却が行われた。