PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず
最初、電話に出た母は僕の身を案じ、「大丈夫なの? いいよ。辞めて帰ってきなさい」と優しかった。だが、代わった父に、こう突き放されてしまった。
「ダメや! 帰って来んな! PLに行くと決めたのは誰や? 自分で決めたんやろ? それなら、何があっても最後までやり通さんかい!」
ブチッと電話を切られた。鬼の父親のせいで、泣く泣く退部を思いとどまるしかなかった。
PL野球部の「鉄の掟」は無数にあった。
1年生には炊事当番、ロッカー当番、風呂当番のローテーションが組まれ、毎週担当する役割が変わっていく。
炊事当番は、練習が終わると食堂で待機。先輩に「おかわり」と言われれば飯をよそい、食事終了後には食器を片付ける。先輩全員が食事を終えるまで食堂を出られない。
ロッカー当番は、練習終了後、ボールがグラウンドに落ちてないかチェックして回り、ノック用ボールとバッティング練習用ボールを分別。内野ノック用のボールをピカピカに磨く。グラウンドでボールを1個でも紛失しようものなら、真夜中でも1年生全員で捜し回らないといけない。