「国家のシロアリ」福場ひとみ

公開日: 更新日:

「そのおこぼれで、『それっぽい企画書』で予算をもらった民間会社の話も聞きました。まさに『復興特需』です」

 道路整備のほか、霞が関の役所の改修、クールジャパンの推進、日本年金機構の設備整備、東京スカイツリー開業プレイベントなどの事業に使われた。一方、肝心の被災地では復興が進まない。
「ある東北の職員は、『被災地を舞台に、霞が関の各省が縄張り争いを繰り広げているだけ』と嘆いていました。税金の適切な使い道を決めて執行するべき政治家や官僚が、機能せずに空恫化しています。ウォルフレン氏の言葉を借りれば、それが『日本というシステム』なんですね」

 著者がジャーナリストを志したのは、ウォルフレンの著書「人間を幸福にしない日本というシステム」がきっかけ。今回の復興予算に取り組む半年前、彼にインタビューし「ジャーナリストに大切なのは、しっかり調べること」と言われたばかりだった。
「今は情報公開が進んでいます。憤慨することがあったら自分で調べてみると、発見があると思います。国民が関心を持つことが、日本を変えることにつながると思います」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる