「世界の刀剣歴史図鑑」ハービー・J・S・ウィザーズ著 井上廣美訳

公開日: 更新日:

 古代エジプトでは、このシックルソードの形をした投擲武器「ケペシュ」が、斬撃用の刀剣としても使われるようになり、ファラオらにも愛用された。ツタンカーメンの墓の出土品にもファラオがケペシュでライオンを打倒している姿が描かれている。

 さらに古代ギリシャや古代ローマ、バイキングらが使用していた武器の数々を経て、現代にいたるまで、時代や地域ごとの刀剣の歩みを詳述。

 戦争の変化によって、刀剣類もまた姿を変えていく。1500年代半ば、ヨーロッパでは戦士の重武装化に対抗するため、刀剣は斬撃だけの武器から、板金鎧(プレートアーマー)を刺し貫いたり切り裂いたりできるようにと進化する。

 火器が登場し、補助的な武器となっても、刀剣は戦場には欠かせないものとして、さらなる改良の試みが続けられてきたという。

 後半の宝刀名鑑では、ヨーロッパ最古の刀剣とみなされているトルコの青銅製刀剣(紀元前3000年代)から、1本のさやから2本の剣を取り出し両手で使う中国独自の「双剣」や無数の宝石によって飾られたペルシャの王室の剣(後にオスマン帝国からロシアの女帝エカテリーナ大帝に贈られた)など贈答用の豪華な刀剣まで名刀が勢ぞろい。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる