「羽生結弦 王者のメソッド」野口美恵著
14歳のとき、羽生結弦は「僕はレジェンドになりたい! 人類初の何かで、僕だけってことをみんなに見せたいな」と宣言した。
2014年、五輪王者、世界王者となった羽生はショートプログラムの〈後半の4回転〉に悩んでいた。呼吸する場所や足の使い方によっては無酸素状態になって疲労もたまる。GPシリーズ初戦は不本意な出来で6位。「調子がいいからノーミスしたい」と考え、技をどうやるかに集中していなかったと反省した羽生は、フリーは〈練習通り〉と気持ちを切り替えて、平常心と闘争心を奮い立たせ、銀メダルを獲得する。
羽生が7年かけてつかんだ究極のメソッドに迫るドキュメント。(文藝春秋 1550円+税)