「ブラックバイト学生が危ない」今野晴貴著
長時間労働や連続勤務、商品の買い取りノルマなど、アルバイトの過重労働が広がっている。学生を食いつぶす、こうした「ブラックバイト」の実態に迫る警世の書。
飲食店で当初は週4日6時間の契約で働き始めたAさんは、やがて朝10時から26時まで働かされ、大学にも通えなくなってしまった。退職を申し出ると、脅されたり、損害賠償を請求されたりと追い詰められていったという。これは名も知れぬ企業の特殊な例ではなく、大規模チェーン店でも頻繁に起きているそうだ。多くの事例を検証しながら、学生を酷使せざるをえない企業側の事情や、ブラックバイトに絡めとられる若者たちの家庭事情や意識を分析し、その対策法を提示する。(岩波書店 820円+税)