「一生健康に暮らせる住まいづくり」渡邉和司著
家を建てる際に重視すべきは、広さやデザインよりも「健康への配慮」であると、元ハウスメーカー勤務の著者は言う。健康に暮らせる住まいの条件はいくつかあるが、特に大切なのが家の中の温度差をなくすこと。温度差による心疾患や脳血管疾患、いわゆる“ヒートショック”で亡くなる人は交通事故の死者よりも多い。熱の大半は窓から逃げるため、ガラスは二重にし、サッシはアルミではなく樹脂を選ぶなどの工夫が必要となる。
日々のストレスを和らげることも、住まいによって可能だ。無垢の木材を仕上げ材に取り入れれば、木の香り物質であるフィトンチッドが体内のストレスホルモン濃度を下げることも分かっている。
人生の3分の1を過ごす住まいへの工夫で、健康寿命を延ばすことも夢ではない。(幻冬舎 800円+税)