電車に乗れば誰もが一心不乱に…「スマホ地獄」の行く末

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「一緒にいてもスマホ」シェリー・タークル著、日暮雅通訳

 アメリカで早くからインターネットに関心を寄せてきた臨床心理学者の著者。団塊世代らしくネットの未来については明るい展望を持ち、80年代半ばからコンピューター文明を鼓舞するような、電子テクノロジー肯定の論考をいくつも発表してきた。しかし近年のネット依存状況の進展やネット炎上の実態を見るにつけ、次第に現代のデジタル文明に対して批判的なスタンスに変わっていくようだ。

 ネットで「つながる」新しい楽しさは、実は表面的につながっている「ふり」をしていただけだ、と実に手厳しい。一緒に向かい合って食事を楽しみ、よろこびを分かち合っているようでいながら、お互い手の中のスマホに見入っている。単なるテクノロジー批判ではなく、人間と機械のあるべき共存を語ろうとしている。(青土社 2400円+税)

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