電車に乗れば誰もが一心不乱に…「スマホ地獄」の行く末
「インターネットで死ぬということ」北条かや著
ツイッターでのつぶやきがもとで「炎上」騒ぎになり、自殺未遂に走ったらそれがまたネットで批判の嵐にさらされる。そんな体験をしたライターによる半生記。
書名は一見ネット論のようだが、大半は石川県下の旧家で生まれ育った優等生の少女が、その後京都での学生時代を経てどんなふうに屈曲の多い人生を送ってきたかをつづる告白記になっている。
自意識過剰に苦しむ若者は昔からいるが、現代はネットの存在がいかに彼らに圧力となり、また他人を傷つける武器にもなってきたのかを図らずも示す典型例になっている。(イースト・プレス 1300円+税)