「安楽死・尊厳死の現在」松田純著

公開日: 更新日:

 オランダでは、2002年に安楽死が合法化され、いまや年間6000人を超える人が安楽死を選択している。後を追うように数カ国で安楽死が合法化。これらの国では、医師が患者に致死薬を注射する「安楽死」と、患者が処方された致死薬を服用する「自死介助」の双方を安楽死と定める。

 一方でこうした国では、適用の拡大解釈や認知症患者への対応などの諸問題に直面している。日本では安楽死と区別して、生命維持装置の中止を尊厳死と呼び、法的に位置づけ制度化する動きがある。

 先進国オランダや安楽死に最も寛容な国といわれるベルギーでの、法制化の経緯や実際に安楽死が認められる過程などその実態を伝え、多死社会到来とともに現実になりつつある「死の医療化」について考える。

 (中央公論新社 860円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  2. 2

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 3

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  4. 4

    趣里の結婚で揺れる水谷ファミリーと「希代のワル」と対峙した梅宮ファミリー…当時と現在の決定的な違い

  5. 5

    中国企業が発表した「ナトリウムイオン電池」の威力…リチウムイオン電池に代わる新たな選択肢に

  1. 6

    永野芽郁「かくかくしかじか」"強行突破"で慌しい動き…フジCM中止も《東村アキコ役は適役》との声が

  2. 7

    永野芽郁と田中圭は文春砲第2弾も“全否定”で降参せず…後を絶たない「LINE流出」は身内から?

  3. 8

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  4. 9

    水谷豊に“忖度”?NHK『BE:FIRST』特集放送に批判…民放も事務所も三山凌輝を“処分”できない事情

  5. 10

    頭が痛いのは水谷豊だけじゃない…三山凌輝スキャンダルで間宮祥太朗「イグナイト」“爆死”へ加速危機