「ブルース・リー 李小龍の栄光と孤独」四方田犬彦著

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 1970年代、世界を席巻した香港功夫(クンフー)映画の大スター、ブルース・リー(中国名李小龍)。彼が全世界に与えた衝撃は計り知れず、ハリウッドのアクション映画は彼の登場以前と以後では「アクションの文体が一転」したともいわれている。

 その影響は映画だけにとどまらず、社会的・文化的次元にまで波及。彼が体現した道徳性に満ち、禁欲的な中国人像は、アメリカにおいて、アジア系のみならず、移民の象徴的な存在となり「人種的マイノリティーの抵抗と団結を語る」さいにしばしば援用されることになったという。

 本書は、その32年の短い生涯をふりかえり、知られざる子役時代に出演した映画や、アメリカでの修業時代、功夫哲学まで論じる映画テキスト。

(筑摩書房 1000円+税)

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