「鉄の楽園」楡周平著

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 北海道にある鉄道の専門学校、海東学園は道内鉄道の赤字、少子化のあおりを受け深刻な経営危機に陥っていた。そこへ同学園を買収してリゾート地として開発したいという中国企業が現れた。

 一方、総合商社の四葉商事は東南アジアの新興国、R国の高速鉄道受注をめぐって資金力豊かな中国を相手に苦戦を強いられていたが、同国の有力財閥の令嬢で貧困層の子供の教育支援に尽力してきたキャサリン・チャンが次期首相選に立候補するとの情報を得る。四葉商事の現地責任者で海東学園創業者の息子でもある相川翔平は早速キャサリンに接触し、首相選出馬の最大の目的は貧困格差の是正であり、それを可能にするのは教育だという彼女の考えを知る。

 また経産省でもR国の高速鉄道導入に関して独自の調査を進めていた。中国に勝つにはキャサリンの意向に沿う新たな提案をするしかないと、海東学園、四葉商事、経産省の3つがタッグを組み、前代未聞のプロジェクトが立ち上がる……。

 既存の高い専門技術と日本独自の接客、清掃などの高い職業意識の組み合わせ――未来の日本の可能性を新たな視点から問い返す、痛快な企業小説。

 (新潮社 1800円+税)

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