「大江戸の飯と酒と女」安藤優一郎著

公開日: 更新日:

 バラエティーに富んだ江戸時代の飲食文化を紹介しながら、その大量消費を可能にした当時の産業経済構造についても解説する歴史エッセー。

 江戸の武士の多くは、藩主の江戸在府中だけ国元から単身で出府する勤番侍だった。彼らが書き残した日記を読むと、非番の日には頻繁に江戸見物に出掛け、食べ歩きを楽しんでいたことが分かる。当時、そば屋だけでも5000軒を超えていたというが、そば粉が行き渡ったのは、産地の農民が水車を活用して、製粉まで済ませて出荷するようになったからだという。また食用油も水車によって大量に搾られるようになり、天ぷらが低価格で提供されるようになった。そうした食の舞台裏に始まり、酒文化や男女の色恋まで、江戸っ子たちの日常に迫る。

(朝日新聞出版 810円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  4. 4

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  5. 5

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  1. 6

    おすぎの次はマツコ? 視聴者からは以前から指摘も…「膝に座らされて」フジ元アナ長谷川豊氏の恨み節

  2. 7

    大阪万博を追いかけるジャーナリストが一刀両断「アホな連中が仕切るからおかしなことになっている」

  3. 8

    NHK新朝ドラ「あんぱん」第5回での“タイトル回収”に視聴者歓喜! 橋本環奈「おむすび」は何回目だった?

  4. 9

    歌い続けてくれた事実に感激して初めて泣いた

  5. 10

    フジ第三者委が踏み込んだ“日枝天皇”と安倍元首相の蜜月関係…国葬特番の現場からも「編成権侵害」の声が