「緊張を味方につける脳科学」茂木健一郎著
人生の「ここ一番の勝負どころ」では誰もが緊張する。緊張で集中力が研ぎ澄まされ、パフォーマンスが向上する人もいれば、失敗やパフォーマンスが低下してしまう人もいる。日本人は緊張しやすい民族だという。
本書は、緊張はどのように生まれるのかを脳科学の知見から解き明かす。
緊張とは人間が動物として持っている本能だそうだ。肉食獣に襲われるなど動物にとって「命が脅かされる状況」で感じるものが緊張。この時、脳の中では「扁桃(へんとう)体」と呼ばれる感情の中枢がまず働く。人間では扁桃体が活動する機会が複雑になり、社会的死活問題においても緊張をもたらすようになったのだそうだ。
そのメカニズムを解説しながら、緊張を味方にベストパフォーマンスを引き出す方法を説く。
(河出書房新社 924円)