「リスク心理学」中谷内一也著

公開日: 更新日:

 人類は太古の昔から、さまざまな危機に対応しながら暮らしてきた。生きることは危機に対処することと同義と言っても過言ではない。人間の心には、進化の中で、生き残りに都合が良い適応的な特性が残ってきたという。リスク心理学とは、人間の心が遭遇するかもしれない望まざる事態をどのように受けとめ、どのように反応しようとするのか、その基盤となるデザインを探る学問だそうだ。本書は、その基礎を教えてくれるテキスト。

 私たちの判断や思考決定は、直感的、無意識的に判断を進める直情径行型のシステム1と、データや論理を重視して筋の通った判断を行おうとする慎重居士型のシステム2という2つの思考モードで支えられていることを紹介しながら、私たちの心に備わる危機対応の仕組みを解き明かす。

(筑摩書房 880円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方