著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第一話 倫理的にあり得ない(33)どんな結果でも親子関係は崩れない

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 貴山は朗読のように、淡々と持論を語る。

「安生が、直人くんを実の子ではないと思いつつも親権を持ったのだとしたら、DNA鑑定でどんな結果が出ようとも、安生の直人くんに対する向き合いはかわらない。その確固たる愛情があるならば、仮に直人くんが本当のことを知っても、ふたりの親子関…

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