(13)ニュウカンじゃないのね
「なにかご用ですか」
振り返ると、つい背後に朱里が立っていた。右手には携帯を手にしたままだ。力を込めて握っているらしく、かすかに震えている。
だが、表情も声もつとめて冷静に落ち着いている風を装っていた。
正木は朱里に向き直り、笑顔を作って見せた。
「…
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