「透明な夜の香り」千早茜著

公開日: 更新日:

「透明な夜の香り」千早茜著

 一香は、仕事をやめ、アパートにひきこもっていたが貯金も底をつき、スーパーの掲示板で見つけた家事手伝いの求人に応募する。

 面接のため教えられた住所を訪ねると、大きな洋館が立っていた。雇い主の朔は、一香が家にひきこもっていたことを言い当てる。聞くとにおいで分かるという。異常なまでにごくわずかなにおいも嗅ぎ分けられる朔は、客の要望によってあらゆる香りを作り出すことができるオーダーメードの調香師だった。

 一香が働き始めて数日後、朔の仕事仲間で興信所を営む新城の紹介で藤崎という女が、亡き夫のにおいを調香して欲しいと依頼に来る。彼女のにおいで嘘に気づいた朔は、翌日、新城と一香を伴い都心に向かう。

 類いまれなる嗅覚を持つがゆえに苦悩する朔を主人公にした長編小説。 (集英社 704円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」