「犬も食わない」尾崎世界観、千早茜著

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 お互いに不器用で一筋縄ではいかない男女の恋愛を、人気作家2人がそれぞれの視点から描くハイブリッド作品。

 秘書の福は、派遣先の企業の常務・佐伯と取引先に向かう。だが、間違えて改修工事中のビルに佐伯を案内してしまう。あろうことか廃棄物を搬出中の作業員とぶつかり、佐伯のスーツが汚れてしまった。反省の色がない男の態度にキレた福は、男を汚い言葉で罵り、止まらなくなってしまう。

 しかし、気がつくとそんな「クズが服を着て歩いている」ような男・大輔が、福のアパートに転がり込んできて、いつしか2人は同棲を始める。

 デートにも作業着のまま現れる大輔にあきれる福、思った言葉が素直に出ず福をさらに苛立たせてしまう大輔、2人は感情がすれ違い喧嘩が絶えない。

(新潮社 693円)

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