(10)母の髪にフワリ花びら
ペッ。義兄は掌に唾をくれると鬢に撫でつけた。
「ちょっくら、いってくるぜ。親父には黙ってろよ」
いっちょ前の色男気取り、叔父のいう「吉原で育ちゃマセて当然」そのもの。どうせ良からぬ遊びに夢中なのだろう。だが、重三郎だって読みかじりの知ったかぶり、悪い遊びのナンたる…
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