「世界を支配するアリの生存戦略」砂村栄力著
「世界を支配するアリの生存戦略」砂村栄力著
アリは日本人には好感度の高い虫だったが、近年、ヒアリなど外来アリの侵入や被害に関するニュースが相次ぎ、社会のアリに関する認識は善良なる働き者から恐るべき害虫へと変わりつつある。
外来アリのすごさは、社会性を進化させることによって得た底なしの繁殖力だという。普通のアリはそれぞれの巣が独立したコロニーになっているが、外来アリは無数の巣が相互に連携し合う「スーパーコロニー」をつくり、超効率的な社会活動を行う。2000年ごろから日本に侵入したアルゼンチンアリにいたっては数百、数千キロ規模に及ぶ世界最大のスーパーコロニーをつくるそうだ。
外来アリの侵入状況や危険性、生態から、世界を席巻したその進化の軌跡と生存戦略、防除の処方箋までを説いたテキスト。
(文藝春秋 1155円)