猛反対されながら頬の膨らみを取った宍戸錠

公開日: 更新日:

 しかし、元の自分を取り戻したいという意志は固く、宍戸は2度目の整形を強行した。実際、摘出されたオルガノーゲンは石灰化して固形になっており、長さ9センチもあった。宍戸の弁によると、「まるで昔の着色されていないカズノコのよう」だったという。

 宍戸が顔の整形手術をしたのは56年。日大芸術学部を中退し、54年に日活ニューフェイス第1期生としてデビューしたが、56年にデビューした年下の石原裕次郎らの台頭と太陽族映画ブームの中で線の細い正統派の二枚目だったことなどで、傍流に追いやられる。

 そこで頬を膨らませて、悪役向きのふてぶてしい風貌にする豊頬手術を思い立った。執刀した形成外科医も反対する中で、あえて人相を変えるいわば「逆整形」に挑んだのだ。

 彼の思惑は当たり、手術を機に、宍戸錠は悪役や殺し屋役で独自のポジションを掴み、スターとしての地位を築く。61年1月に石原裕次郎がスキーで骨折し、2月に赤木圭一郎が事故死したこともあって「エースのジョー」として小林旭、二谷英明らとともに、第2次日活ダイヤモンドラインの一角を占めるに至った。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方