加藤勝信財務相が米トランプ政権に脅し? 米国債「売却含み」の危うい交渉カード
「(交渉の)カードとしてはあると思う」──。加藤財務相が2日、テレビ東京系の「Newsモーニングサテライト」に出演。対米関税交渉で、日本が保有する米国債を「安易に売らない」と発信することが交渉材料としてあり得るかを問われ、可能性を否定しなかった。
言わずもがな、日本は世界最大の米国債の保有国だ。米財務省が先月16日に発表した2月の対米証券投資統計によると、日本の保有額は1兆1259億ドル。1月の1兆793億ドルから買い増した。日本に次ぐ中国の保有額は7843億ドルで、いかに日本が“太客”かが分かる。
金融市場が固唾をのんで日本の動向を注視する中、加藤財務相は「交渉のカードになるものはすべて盤上に置きながら議論するのは当然」と主張。「(カードを)切るのか切らないのかはまた別の問題だ」と留保を付ける一方、米国債について「アメリカを支援するために持っているわけではない」「我が国がいざとなれば介入する」と売却の可能性もチラつかせた。
米国債を交渉材料に持ち出すこと自体、市場に株式・債券・ドルを同時に売られ、「トリプル安」が直撃した米国に対し“脅し”をかけたも同然だ。