ミスをした時、詭弁を弄する医師はなにを守ろうとしているのか
医師で医療ジャーナリストの富家孝さんが面白い本を上梓しました。
「それでもあなたは長生きしたいですか? 終末期医療の真実を語ろう」(KKベストブック)という題名の本です。
これは「長生きするな、早く死ね!」という本ではなく、「長生きとは何か? という意味をしっかり考えてみましょう」という本です。
患者さんは病院や制度の「消費者」と言えます。どういう商品を買うか、消費者としてその商品を見極めるのは当然です。
私も病院という、医療を販売する商店に雇われている、という言い方ができるでしょう。では、商品とは何でしょう? それは「信用」です。物を売るショーバイのジョーシキです。病院の商品は「健康」かも知れませんが、ヒトは誰でもいずれ死にます。いくらカスハラが横行する現代でも、病院の受付で「病気になる前の元通りの体にしろ!」などとすごむ患者はいません。
しかし「ざんねんな医者」もいます。手術の結果がよくないとき、詭弁を弄して「これは事故ではありません。反省点は一切ありません。予想外の合併症が起こったのです」などと説明する者です。