バイオリニスト川井郁子の「空しい日々」を一変させた宮川泰

公開日: 更新日:

 そして先生がレギュラーに推薦してくださったこともあり、約2年間、先生のピアノとともにエンディング曲を演奏させていただく機会にあずかりました。

 当時は自分の居場所を見つけられず、むなしい日々を送っていました。英国でデビューさせていただき、日本でもCDを出していたものの、クラシックの名曲を誰かと同じように弾くことの限界というか……。弾き続けたところで、その先に何かあるとは思えないし、自分に向いているとも思えない。かといって、ポップスとか異なるジャンルに挑戦しても、誰かの音楽を弾かせてもらっているという立ち位置から抜け出せない。

 それが先生とご一緒するようになり、タンゴをはじめ、それまで知らなかったジャンルの音楽に触れていくうちに、自然と変わっていったんです。音楽が体の中に入っていったというか、そもそも音楽に垣根はないってことに気づいたんですね。

■不可能と思えることに挑戦できるように

 6歳のとき、瀬戸内海に臨む実家のラジオからブルッフのバイオリン協奏曲が流れてきて、その音色に魅了されて以来、多くの先生の指導を受けてきました。昭和という時代もあって、スパルタ的な指導も中にはありましたけど、私は宮川先生のように良いところを伸ばそうというタイプの先生じゃないとだめでした。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に