TBS「天皇の料理番」好調を支える佐藤健の“独特の可愛げ”

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 よくこの企画を思いついたものだ。物語の主人公は、大正・昭和時代に宮内省大膳頭を務めた実在の人物、秋山徳蔵(ドラマでは篤蔵)。原作は36年前に出版された杉森久英の小説である。

 TBSはこれまでに2度、ドラマ化している。1980年に篤蔵を演じたのは、後に「チューボーですよ!」に出演することになる堺正章。93年版は高嶋政伸だった。

 そして今回が佐藤健だ。「仮面ライダー電王」(テレビ朝日系)やNHK大河ドラマ「龍馬伝」の岡田以蔵役で注目され、昨年は刑事ドラマ「ビター・ブラッド」(フジテレビ系)で主役を務めていた。

 とはいえ、お世辞にも演技派とか芸達者といったタイプではない。だが、佐藤には独特の愛嬌というか可愛げがあり、このドラマではそれがうまく生かされている。

 婿養子に入った商家を飛び出し、勝手に東京で料理人修業に励む篤蔵。厨房の掃除と食器洗いに追われながらも、コック長(「深夜食堂」の小林薫、好演)やスタッフたちから何とか学びとろうとしている。その必死な姿は見る者の共感を呼ぶ。

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