「ピンクの電話」に漫才勧めた故・石井会長の“口説き文句”
今のお笑い番組と違って、80年代は6分間のネタで勝負できる番組が多かったので、石井会長が勧めてくれたわけです。
最初、私たちは戸惑いました。できるかなあって。
ただ、会長が言うのも現実です。それで結成したのが、お笑いトリオ「大阪シスターズ」を経て、都子ちゃんと組んだ「ピンクの電話」だったんです。
■「馬車馬みたいに働かな」
でも、簡単に人気が出るわけがありません。毎月、渋谷のライブハウス「ラ・ママ」で開催される「ラ・ママ新人コント大会」でネタ見せを繰り返しました。あの頃は何度も何度も壁にブチ当たった記憶しかありませんね。
そんな時でも会長は「君らイケるで。頑張りや」って笑顔で励ましてくれました。それがどれだけ励みになり、背中を押してくれたことか。
「羊羹みたいなレバ刺し食べに行こ」って、劇団のメンバーを連れて、高田馬場の焼き肉店でご馳走してくれたこともありました。
そこのレバ刺しの厚切りは名物で、会長は「羊羹みたいな」と表現されたんですが、貧乏な下積みの役者にはめったに口にできないぜいたく。栄養をつけさせてもらいましたね。