野坂昭如さんへの愛と献身…暘子夫人が語った介護の日々

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 心不全のため、9日に亡くなった野坂昭如さん(享年85)は、最期の時まで原稿を口述筆記し、現役の作家としての生涯を貫いた。「それができたのは、妻・暘子さんの献身的な介護があって」ともっぱらである。暘子さんは昨夏、日刊ゲンダイで「妻からのラブソング」を5回にわたって連載。

あの日以降、あれほど飲んでいたお酒をやめ、両切りのショートピースともお別れ。『ライオンなど強い動物は歯を磨かない』からと屁理屈をこねていたのに、食後には必ず口腔ケアでうがいをしています」などと、2003年に脳梗塞で倒れてからの日々を赤裸々に語っている。

 たとえば寝たきりにさせないよう、椅子に座って立ち上がるという動作を繰り返すリハビリ。パンツの着替えすら自分でやろうとしない野坂さんがしぶしぶ立ち上がるときは鬼軍曹となり、「敬礼! 野坂2等兵、声が小さい!」と一喝。すると背筋がピンと伸び、

「いっち、にぃ……」

「年は?」

「38歳であります」

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