月亭八方が目撃した 横山やすしの破天荒すぎる酒席伝説

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 僕もいっぺん、「今日は無礼講やで」って師匠が言うからたばこに火をつけたら、途端にパーンとたばこはねつけて「誰がエエ言うたんや。やっすい(安い)たばこ吸いやがって」。もう、これですわ。

■腕時計を煮え立つ鍋の中にポンッ!

 で、お酒を飲みだすでしょ。本人もガンガン飲むんですけど、連れがゆっくり飲んでたり、遅れてきたりすると、「捲れ、捲れ」「差せ、差せ」言うて、とことん飲ませるんです。両方とも、師匠が大好きやったボート用語で「もっと飲め」「先行してるヤツを追い越せ」ってことですわ。

 ほとんど飲まへんことがわかってる僕に対しては、グラスを手にしてたら何も言わへんかったけど、突き出しとか料理を食べよう思て箸を持つと、それだけでもうアカン。「メシ食いに来たんちゃうねん。飲まんかい!」。そう言うて大暴れ。

 師匠が元気な頃、某テレビ局のディレクターと鍋を食いに行った時です。そのディレクターがふと時計を見たら、それが気にくわない。「ワシより時間が気になるんか!」と時計外させて師匠が手に持ったと思ったら、グツグツ煮え立ってる鍋の真ん中にポンッと放り込んだ。時計は白菜の中にブクブクブクって沈んでって、箸ですくうたら、時計の革バンドが伸びて海苔みたいになっとったらしい。

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