模倣ドラマ急増も…ひと工夫で独創性出す「相棒」の強さ
「めったにCMに出ない大物だけに効果は絶大でしたが、うまそうに飲む姿だけが強烈に頭に残り、ビールの銘柄は覚えてないから、いつも飲んでいるキリンを買う。他社がビールの宣伝をすればするほどキリンが売れた珍現象」(広告代理店OB)
その後は、新たなビールを開発してメーカーではなくビールの味やキレといった中身で選ぶ時代になった。
今のドラマはまだ単に真似ているように見える。やはり、工夫がなければ視聴者に見放されてしまう。「相棒」も米国ドラマで人気のあった「刑事コロンボ」を上手に模倣している。杉下右京が事件のカギを握る人物に聞き込んだ後、帰り際に決まって「最後にもうひとつ」と核心に迫る質問をするシーンは、まさしくコロンボそのもの。いつもよれよれのコートだったコロンボに対し、杉下刑事はピシッとしたスーツ姿の英国紳士風。そして、なによりも「相棒」がいることでオリジナリティーを出してヒットした。
模倣も工夫ひとつで「創造」になる。