伊集院静氏語る「困難に立ち向かう姿にこそ真理がある」

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 上り坂、向かい風を選べばもちろんキツイ。でも、それを経験しないと次の景色は見えません。私の考えでは困難なものに立ち向かっていくという人間の姿勢、姿、そこにこそ真理がある。真理とは揺るぎないものです。困難なものに立ち向かっている姿には間違いなく真理がある。

 ヤンキースの松井秀喜選手をずっと取材していて、練習風景を見ていた時になんでこんな泣きそうな顔をしてまで苦しいことをやるんだと思ったんです。でも、彼が(ワールドシリーズで)MVPを取ったときに思い出したのはあの時の泣きそうな顔。ああ、そういうことなんだなと。これほどの選手でもツライ思いをしているのです。

 人が見て陳腐、愚かに見えるものの中にこそ真理が隠れている。寿命が100歳になろうかという時代です。サラリーマンは定年からが第二の人生じゃなくて、そこからもう一度人生をやり直すくらいの気持ちじゃないと。私なんて占い師に余命を見てもらったら、何回見てもあと50年だと。96歳のおふくろに電話をしたらおじいさんは116歳まで生きたから大丈夫よって言われましたがね……。まあ、あとは迷ったらこれを読みなさい(笑い)。(談)

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