もう重版 芥川賞作家・又吉直樹「第2作」の気になる評判
都内の大型書店にはドドーンと平積みされ、特設コーナーができるほどのお祭り騒ぎである。
芥川賞受賞作「火花」に次ぐ小説第2弾を発表したお笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(36)。新作が掲載された「新潮」4月号は初版から異例の4万部を刷って勝負に出たが、その予想を上回る売れ行きで発売翌日(8日)には緊急重版を決定。前作「火花」を掲載した15年2月号の「文学界」(文芸春秋)の4万部を超え、版元の新潮社は「累計発行部数は異例の5万部」(宣伝部)と意気揚々だ。5月には単行本を刊行するという。
「劇場」と題した新作は、売れない劇作家が主人公の恋愛小説。原稿用紙300枚に及ぶ長編で「火花」より先に執筆していたものの、途中で断念。1年前から再び取りかかり、睡眠時間を削って完成させた又吉センセイ渾身の一作である。
でもって、気になるのはその出来栄えだ。書評家の倉本さおり氏は「甘酸っぱい恋愛小説」と称し、「『火花』同様、導入部分は文学臭を漂わせたまどろっこしい表現が使われてとっつきづらいが、人物が出てくると途端に面白くなる」と評価する。