<下>高齢者ドライバー事故報道は、本音をいえば迷惑な話
27日公開の映画「家族はつらいよ2」(松竹系)は、数多くの喜劇を生み出してきた山田洋次監督(85)の真骨頂だ。熟年夫婦と3世代の同居家族とのトラブルなどを描いた前作に続き、橋爪は、まるで水を得た魚のように頑固オヤジの家長を演じている。運転免許証の返納や孤独な老後を送る友人の死など、高齢者が抱える問題を描いた今作では思うところが多かったという。
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僕が演じる周造さんもそうですが、平田家の面々は自分勝手だったりせこかったりと出来損ないばかり。ただ、小学生のときにクラスメートから「何、いちびっとんねん」と突っ込まれるお調子者の子供だった僕は、わがままでいつも騒動を引き起こす周造さんがいとおしくてたまりません(笑い)。
世の中の動きに敏感な山田監督は、免許返納を巡って父親とケンカになったというスタッフの話から着想を得て、最新作で高齢者の運転をめぐる話を書かれました。僕も運転はします。さすがに最近は少なくなりましたが、東京から京都の撮影所まで、自分で運転して行くこともあります。自分がいる空間は同じなのに、距離と時間が流れていくうちに場所が変わっていくのが、何だか心地よくて好きなんです。車の運転も、ある種の現実逃避ができるフィクションの世界ですよね。