BPOからはダメ出しも フジMr.サンデー“舛添報道”の後始末
■BPOからは2つのダメ出し
これに対する人権委の見解はというと、子供の撮影は妻の撮影時の映り込みで生じたもので、「相当な範囲を超えたとまでは認められない」。雅美さんへの取材は高い公共性・公益性があるもので「意図的に不合理な編集がなされたわけではなく、放送倫理上の問題があるとまではいえない」。
この結論に対し、舛添氏側は「極めて遺憾」(坂井眞委員長)という反応を示したという。
BPOは、フジの取材に対し「視聴者に誤解を生じさせない工夫の余地があった」とし、2つのダメ出しをした。ひとつは、VTRの切り方を含め、補足のナレーションを入れるなど工夫がなされなかった編集作業について。2つ目は事前にアポを取らず、ゲリラ取材に至った上で子供が絡む事態となり、加えて、子供を気にかける親の心情や不安に対する配慮が足りなかったという取材過程だ。
この日の会見では新聞・テレビ各社からは、「取材のアポ入れをすることで逆にリスクを伴う場合もある」「現場で取材対象者の一言一句に対応することは容易ではない」といった、BPOの取材現場における認識のズレに対する質問も相次いだ。