追悼・西城秀樹さん 貫いたスーパースターの矜持と美学
2003年に脳梗塞を発症、11年に再発してからは半身にまひが残り、体が不自由になってもステージに立ち続ける姿は共感を呼んだ。退院後は毎日、朝9時から2時間はリハビリ、ボイストレーニングを40分間こなし、プールではアスリート並みのハードな歩行訓練もこなし、還暦コンサートを成し遂げた。日刊ゲンダイ本紙の3年前のインタビュー(写真)では「体が萎縮してしまったのでリハビリは悲鳴を上げるほど痛いですよ。でも、何とかしたいから。歌には音符があるから発声しやすい。声量も変わりません」と語っていた。子供たちの父兄参観には必ず出席し、ディズニーランドに連れて行くイクメンでもあったヒデキ。芸能リポーターの川内天子氏がこう言う。
「2回目の脳梗塞後にまひの残った体で会見に立たれた姿が印象的でした。言葉もうまく発せない状態でも、過去の栄光にとらわれずに歌いたいと宣言する姿は病気を抱えている人に勇気を与えてくれました。それだけに、もっと長生きして勇気を与え続けて欲しかったです」
ありのままの自分を隠さずに見せる生きざまこそが彼の美学であり、スーパースターたるゆえんだろう。