追悼・西城秀樹さん 貫いたスーパースターの矜持と美学
ヒデキ死す――。先月25日に入院、歌手の西城秀樹が心不全で人生の幕を閉じた。63歳だった。
1955年、広島県生まれ。72年に「恋する季節」でデビューし、野口五郎(62)、郷ひろみ(62)と「新ご三家」として人気を博した。「傷だらけのローラ」など次々とヒット曲をリリース、YMCAの振り付けで有名な「YOUNG MAN」は28枚目のシングルとして80万枚を超えるセールスを記録した。またアニメの「ちびまる子ちゃん」中で“憧れのスター”として登場し、子供から大人まで広く愛された。
「3月ぐらいに事務所移転のご案内をいただき、住所がご自宅に変わり『お恥ずかしながら、当分予定も入れていないので』と伺っていたので心配していました。周囲に迷惑をかけないよう、整理されていたのでしょう。そういう気遣いも西城さんらしいです」(音楽関係者)
ずばぬけたアイドル性で一世を風靡したが、ヒデキは“プロデュース力”にも長けていた。
「西城さんはレッド・ツェッペリンなど洋楽好きで、マイクスタンドの振り上げ、巨大クレーンで宙吊りになって歌う、ペンライトを振る、シースルーの衣装、野外ステージ公演など実は秀樹さんが日本初。全てご自身のアイデアだったそうです。会場と一緒に歌うという『YOUNG MAN』のスタイルもご本人の発案。ウッドストックに影響を受け“野外イベントを誰よりも早くやりたかった”とおっしゃっていたり、日本の音楽シーンを変えた方でした」(松竹DVD「西城秀樹還暦記念企画 ブロウアップ ヒデキ」担当者)