<9>円丈師匠から「こぶ平に負けないパーティー」と命令が

公開日: 更新日:

 これが放送されると、「新作派の新星」としてきん歌の名前が広まった。

「その頃、私にもひいき客ができました。埼玉県蕨市に事務所を構える税理士の原先生です。先生が、『芸人だったら風呂付きの部屋に住んだほうがいい』と、川口市のマンションを見つけてくれました。家賃は6万6000円、なんと善兵衛荘の6倍です」

 87年当時、落語協会では真打ち昇進試験があった。受験資格を得るのは入門12年以上だが、9年目のきん歌と林家こぶ平(現・正蔵)が抜擢受験することになった。テレビでの活躍と、NHKの新人落語コンクールで入賞したことで、理事の師匠連に実力を認められたのだ。

 試験では「寿の春」を演じ、こぶ平と共に合格。昇進が決まった。そして、芸名を歌之介と改める。

「披露パーティーは帝国ホテルで開くことになりました。師匠の『こぶ平に負けない派手なパーティーにしろ』との命令です」 

(つづく)

(聞き手・吉川潮)

▽本名・野間賢。1959年、鹿児島県生まれ。高校卒業後の78年に3代目三遊亭円歌に入門。前座名は歌吾。82年、二つ目昇進。三遊亭きん歌と改名。87年、先輩18人抜きで真打ち昇進。初代三遊亭歌之介となる。19年、4代目三遊亭円歌を襲名。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方