志村けんさん「笑いの美学」鉄道員で共演の高倉健も惚れた
「高倉健さんと共演できるなんて考えてもみなかった。本当に夢のような出来事だった(中略)僕らの世代で健さんといえば、雲の上の大スター。あこがれの人だ」
■「哀愁がある」
極寒の北海道にロケに向かう前日、高倉が志村さんの携帯の留守電に吹き込んだ、ねぎらいのメッセージは消すことができずに取ってあったそうだ。さる芸能関係者はこう話す。
「志村さんは『健さんからお願いされたら断れるわけがないだろう』と話していた。それで健さんとすっかり意気投合し、健さんに『(ビート)たけしさんの笑いには“狂気”があり、志村さんの笑いには“哀愁”がある』と言われたそうで、『それを聞いてオレ、すっごくうれしかったんだよね』とお話しされていました」
高倉との共演をきっかけに、志村さんは2000年代に入ると、コント番組以外にも「発掘!あるある大事典」や「天才!志村どうぶつ園」などの司会、そして声優やラジオ番組などにも活動の幅を広げていく。しかしあくまで「本業はコメディアン」と公言し、軸足はコントにおかれていた。自身も小学生の時「加トちゃんケンちゃん」の「探偵物語」のコントを真似して遊んでいたという、お笑い評論家のラリー遠田氏はこう語る。