女子プロ記者語る木村花さんの素顔 リングで育った女の子
米動画配信大手Netflixやフジテレビで放送されている恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演したことでSNS上で誹謗中傷され、若くして世を去った、女子プロレスラーの木村花さん(享年22)。選手としての木村さんを知る、元「週刊ゴング」女子プロレス担当記者の伊藤雅奈子氏が“素顔の木村花”について語った。
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木村花さんは私にとって“キムラの娘”という認識だった。
母は元女子プロレスラーの木村響子(以下キムラ)。デビューは20代中頃と遅咲きで、すでに一人娘がいるシングルマザーだった。相手はインドネシア人で早々に離婚。花ちゃんは父の顔を知らなかった。
「ママ、がんばってー!」。館内に鳴り響く声はJWPの恒例となり、ファンや選手や関係者たちは近所の子供のように花ちゃんの成長を見守っていた。試合終了後、選手が売店やリング撤去に奔走している中、会場に投げられた紙テープを手にして縦横無尽にかけまわっていたのを今でも覚えている。花ちゃんはまさにリングで育った“女子プロの申し子”だった。