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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

渋谷ロフトヘブンでコロナ感染者が…潰れることも覚悟した

公開日: 更新日:

 役員は全員が悲痛な表情をしている。暗い。

「ところで全店(12店舗)休業で50人以上いる社員、アルバイトを含めると150人以上の契約社員の人件費、家賃の支払いなど……どのくらいの赤字になるの?」と経理の担当役員にただした。

「家賃だけで新宿ロフトが370万、下北沢シェルターが130万など合計で毎月1300万円ほどかかります。このままだと月に5000万近くの赤字が見込まれ、会社を維持できるのは3カ月が限界です。出費を極限まで抑えたい。社員を含めたリストラや赤字店舗の撤退も……」という案が出された。

「会社が持ちこたえるために賃金労働者は失業にも我慢しろ――という資本主義の鉄則なんて嫌だな。断固、解雇はしたくない」と私は言った。

■平野個人商店

 ちょっと前までロフトは「平野個人商店」だったが、いつの間にかグループ全体で年商十数億円の中小企業になってしまった。音楽やトークを心の底から愛し、小さな空間から生まれる新しい時代のワンシーンを見守る。そんなことをテーマにしながら生きてきたが、多店舗経営というのはそういった<創造>を破壊することなのか? そんな思いにとらわれた。

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